2007年5月16日 (水)

しらがのかくご

 ここのところ、白髪がめっきり増えた。
 一~三月と忙しかったためかもしれない。
 昔から髪が減ることには覚悟があった。それに、剣道のため坊主頭は慣れているので、いざというときにはすっぱり剃ってしまってもかまわないと思っていた。
 それに比べて、覚悟がなかったのが白髪である。黒いのに白いのがぽつぽつまじってくると、みっともない。
 さっさと染めればいいのだが、鏡を見るまで、自分で見えるものでもなく、普通の外出なら帽子をかぶることもあって、手間と金を惜しんでそのままにしている。
 六月に知り合いの結婚式があるので、そのときには染めて出席する予定ではある。

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2006年4月 9日 (日)

受け口

 フィギュアスケートの荒川静香選手はもともと受け口だが、本人は気にして、テレビの前などでは、わざと下あごをひっこめているように見受けられる。
 受け口をグーグル検索にかけると、矯正歯科のページがあたる。反対咬合とか下顎前突とかいって病気扱いである。見た目の問題だけでなく。うまく噛めない、発音が汚くなるなどの不利があるらしい。志村けんのアイーンも、実際のところ、受け口をからかっているのだろう。現代では受け口は不遇である。
 江戸時代では受け口は非難の対象ではなかった。どちらかといえば色っぽいとうけとられていた。五代目瀬川菊之丞は受け口が有名で、歌川国貞画「八犬伝犬のさうし」の五代目瀬川菊之丞「毒婦船虫」や「尼妙椿」などは、妖艶である。たしか、川柳では受け口の女は淫蕩なのが定型だった気がする。
 いつぐらいから、受け口が悪者になってしまったのか。中勘助『銀の匙』(明治45)に「すこしうけ口な愛くるしい脣」とあるので、まだ大丈夫らしい。芥川龍之介『芋粥』(大正5)に「彼が五六年前に別れたうけ唇(くち)の女房と、その女房と関係があつたと云ふ酒のみの法師とも、屡(しばしば)彼等の話題になつた。」とあるのは、受け口の女は淫乱であるとの迷信を引きずったものだろう。
 受け口の評価の変容には、おそらく西洋的な美人観が影響していると思われるが、それがいつごろなのか、わたしにはわからない。
 荒川静香が受け口だといって、色っぽいとほめる人もなければ、淫乱の証しとけなすひとももはや出てこない。私の知る限り、受け口の女性が性的に奔放だという傾向はない。美人不美人も、口だけの問題より、顔全体の作りで判断したほうがよい。受け口の美人もいれば、不美人もいる。荒川選手はもちろん前者である。

補足:五代目瀬川菊之丞の画像が見たい人は、
早稲田演劇博物館のデータベース
http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html
の画像の部に入って、「毒婦船虫」や「尼妙椿」で配役検索にかけてみてください。
 

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2005年6月 2日 (木)

洗顔料のスクラブ

 顔の油がひどくなってきたので、何年かぶりに石けんではなく洗顔料を使うことにした。久しぶりに、洗顔料を購入したところスクラブが入っていた。このスクラブというのは曲者で、しょっちゅう目に入って大騒動になる。まだ、高校生の頃スクラブ入りの洗顔料を買ってひどい目にあったので、気をつけていたのだが、うっかり買ってしまった。もったいないので、仕方なく使っていたが、最初の内はたびたび目に入ってつらいことばかりであった。最近になって、ようやく目に入らないように顔が洗えるようになった。
 このスクラブだがいかほどの効用があるのだろうか。ネットで検索したところ、スクラブは顔の皮膚を傷つけるのでにきびには厳禁と書いてあったりして、むしろ有害な場合もあるようだ。
 今後洗顔料を買う機会があったら、間違いなくスクラブなしのものを買う。世間の人が私と同じ了簡なら、スクラブ入りの洗顔料は淘汰されてなくなってしまうはずだが、現に売られており、陳列棚の主流となっているのには理由があるのだろう。世間の人は私のように粗忽ではなく、スクラブ入りの洗顔料を悠々と使いこなし、その恩恵に預かっているということだろうか。
 しかし、あえてここではメーカー側がいりもしないスクラブを、男性用洗顔料のなかに含めている理由を考えたい。不必要な物がついている化粧品類の代表例は、カミソリのスムーサーだろう。替え刃のうえにとけて刃の滑りをなめらかにする物体がついているが、大して使わないうちにとけてボロボロになってしまう。これがとけようと、刃の方は問題なく使い続けられるのだが、心理的な圧迫を感じて、刃も取り替えてしまう人が多いらしい。以前メーカーが調査したところ、ほとんどの利用者が、半年に一度しか刃を替えないということがわかったので、あのスムーサーなるものはカミソリの替刃をつけて対策をとったのである。
 スクラブもいらないのだが、メーカーが無理矢理混入させていると私は読んでいる。男の洗顔は烏の行水になりがちだが、スクラブをつけることで、しっかり洗顔させる効果があるのである。いい加減にしか洗わないと、スクラブは落ちず、あとで目にはいるなどして大変なことになる。やむを得ず、しっかり顔を洗うのだが、これによって烏の行水では残ってしまう肌を荒す洗顔料はもちろんのこと、顔の脂がきちんと落ちて、利用者は「うむ。よい洗顔料であった」と納得するのである。私も日頃烏の行水式の洗顔をしていたが、スクラブ入りの洗顔料を使っている限り、否応なしに念入りに顔を洗うこととなる。
 かつて葛飾区の病院で、当直担当医が患者急変の知らせに、いま顔を洗っているのでいましばらく待つようにと答えたことが問題となっていた。目を覚ます効果もあるし、どうせ十秒程度で済むことならやらせてやれよと思うのだが、世間の人の洗顔にかける時間はもっと長いのだろうか。少なくとも、スクラブ入りの洗顔料で顔を洗っている限り、結構な時間を取られるのだが、普通の人たちが考える洗顔とは、烏の行水ではなく、念入りにスクラブ入りの洗顔料を使うことになっているのか興味がある。

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