ドルアーガの塔は
ドルアーガの塔は、古代の建築技術では建てられないという小ネタがいまはなき雑誌「ゲーメスト」にあったような気がする。いやいいのだ、あれは魔法の塔だからと、高校時代の友人は言ったが、なるほど魔法でもかかっていないと、レンガ積みでは大したものは作れない。
芝居で使うセットは、予算があって大物だと鉄骨になるが、高さ二間までなら木で作ることが多い。釘の打ち方ひとつから、つくり方にはちゃんとコツがあって、よほどのことがあっても壊れないように、かつバラしやすいようになっている。素人が作るタテ看板は材料も手間も省いてあるので、見るからに危なっかしい。学生劇団にいた頃は、大学の構内に何度もベニヤ六枚の看板を立てたが、劇団の作るタテ看板は壊れない、倒れないというのが、劇団の誇りであり、また大型看板を作るための学生課との約束だった。
装置のための材料を減らしても、見た目はそうかわらない。もっとも、舞台の装置は裏からは構造が丸見えなので、もし手抜きの装置があれば、芝居をやっている身には恐ろしかろう。
マンションの耐震構造偽造は、手を抜いても見えないからやったのだろう。東京に出てから、住んだところのうち、七十年代後半に建てられたという久我山の木造アパート(風呂なしでした)の二階、八十年代後半に建てられ見た目はいいものの狭い上に壁が薄くてとなりと会話できそうな池袋のマンションの一階、七十年代前半に建てられた水道を始めいろいろなところがボロボロだったマンションの四階については、今話題の耐震偽造マンションよりも、危険な気がする。
古い木造住宅に住んでいる人など特にそうだが、危険を頭の上にかかえて暮らしており、耐震偽造の件に同情している場合ではない人も実際には多いはずである。
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