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2008年6月28日 (土)

裏方ってそんなにイヤ?

 前日のNHK朝ドラ「ちりとてちん」にまつわる余談を一つ。

 高校時代に三味線が上手に弾けなくて、学園祭では、舞台で三味線が弾けず、調光係にまわったことを、主人公の女の子は長い間くよくよする(最後は裏方も重要と悟って人間的な成長をみせるのだが)。
 私は芝居の裏方をしていたのでよくわかるのだが、手動の調光卓で、「ちりとてちん」で放送していたように、光を当てるのは、素人ではまず出来ない。フェーダー一つ上げるにせよ、ライトの特性をつかんで、最初は早く上げて、最後はゆっくり動かすようにしないと、自然なツキにならない。
 放送されたような、きっかけにきちんとあったフェーダーの上げ下げ、なめらかなクロスフェードなどは当然プロがやっていたのだろうが、もし本当に主役の女の子が高校の文化祭でできたすれば、私がその部活の顧問なら、立ち上がって拍手しただろう。
 主人公の女の子の調光卓操作が、表舞台に立てなかった主人公の人生の汚点として、うじうじとした回想として、出てくるたびに、私は見事な卓操作を見て、不思議な気持ちになった。

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2008年6月27日 (金)

いまさらながらNHK朝ドラ「ちりとてん」

 いまさらながらNHK朝の連続ドラマ「ちりとてちん」の話。朝ドラは普段見ないのだが、咄家が主人公になるというので、HDDレコーダーを駆使しつつ、全話見た。
 正直なところをいうと、最初の一ヶ月が特にそうだったが、見るのをやめようかと思うことが何度かあった。

 主人公の女の子に魅力がないのである。主人公の女の子は自分勝手にやりたいようにやって、親兄弟に友人(とくにこのふたつ)、師匠、兄弟子ら周りの人間に多大な迷惑をかけているにもかかわらず、自分のことしか頭に回らず、しかも自分こそがいつも被害者という態度で反省のへったくれもないのである。

 主演の貫地谷しほりが最初のころ、トリックとかの仲間由紀恵のコピーっぽい演技をよくしていたのもうんざりだった。とはいえ、主演の貫地谷しほりは当初慣れない関西弁の演技に苦労していたという。演技は本人より演出家の責任が重いし、美人がギャグ風の演技をすると、みんな似た感じになってしまうのかもしれない。

 主役の女の子が、高校の先生が勧める地元の短大の日本文学科への進学を断り、「(良妻賢母の道を歩んだ)おかあちゃんみたいになりたくないんや」と啖呵を切って、大阪に出たのには笑った。地方短大の国文科がどう思われているか、はっきり描かれているからである。

 一番うんざりだったのは、そのダメダメな主人公の性格がけっこう自分にも当てはまったことである。私もそういや、人をねたんだりうらやんだり、人に迷惑をかけてもちっとも気づかなかったりするなあと、身につまされた。
 

 なんとか最後まで見通したのは、落語を下敷きにした筋立てが巧みだったこと。徒然亭草若の四人の弟子をはじめ、落語的な登場人物たちに魅力があったこと。渡瀬恒彦、和久井映美、松重豊、江波杏子、米倉斉加年ら、役者がすべて実力者ぞろいで、その演技で充分楽しむことができたからである。
 視聴率は十五%程度で、朝ドラとしては低視聴率だったらしいが、ずっと見ていた人はけっこう満足したのではないだろうか。

 ダメダメだった主人公も最後の三週ほどで、妙に物わかりがよくなり(人間的な成長があったということなのだが)、今まで友人に迷惑をかけていたことを悟り、母親にもきちんと謝りと、見ている人にカタルシスを与えるような展開になった。いらついて、途中で見るのをやめてなくてよかったと思ったが、少々ひっぱりすぎだったかもしれない。

 それにしても、一日十五分とはいえ、月曜から土曜まで、一週間で一時間半。ドラマを見る人は気長だなと感心。

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