« 内田啓一『江戸の出版事情』 | トップページ | 麺一本を »

2007年4月27日 (金)

側面から観る芝居

 かつて凸型の舞台を作ったことがある。正しく言えば、その公演では私は制作で、制作側の要請として、舞台監督に作ってもらった。舞台が客席に張り出しているのは、シェイクスピアのグローブ座など、いくつか例がある。私の舞台は、張り出しというより、本舞台の両側を削って、高台の客席を設けたのだった。

 その公演は、私の集客努力が足りなかったこともあってか、観客が少なく、本舞台わきの客席を使ったのは一日だけだった。
 役者はみなみな演じにくかったと、ボヤいた。
 青山円形劇場のように、円形劇場もある。円形劇場での芝居はそれなりに観ていた。正面以外に観客を入れても、ちゃんとお芝居として成立するのだから、なんとかなると思っていたが、そう甘いものではなかった。

 さて、側面から本舞台を見るお芝居といえば、能がすぐに思い浮かぶ。正面席のほかに、中正面、脇正面の席がある。
 これが、ちゃんとお金がとれる席なのだろうかと、疑問があったが、ここ一年ほど、能楽堂でお能拝見の機会が増えて、氷解した。

 まず、地謡が側面を向く。これを見るだけで飽きない。
 役者も、側面を向くことが多い。能の演技もまわる動作が主で、とくに舞は旋回運動なので、側面からみても、損をした感じはしない。
 ワキは斜め後ろ向きに座るので、正面より側面からがよく見える。ワキツレは中正面に正対する。
 脇だと、橋がかりを通る能役者が近くから見える。これは楽しみだろう。
 能舞台が凸ではないのもよくわかる。正面より上手の席を作っても、地謡に隠れて、よく見えない。

 能をよく観ていれば、いろいろと工夫ができたはずだが、なんとなく凸舞台にしたのは失敗だった。いまさらながら、反省する。

|

« 内田啓一『江戸の出版事情』 | トップページ | 麺一本を »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103175/14860269

この記事へのトラックバック一覧です: 側面から観る芝居:

« 内田啓一『江戸の出版事情』 | トップページ | 麺一本を »