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2007年2月26日 (月)

拍手するな

 日本の伝統的な演劇には拍手をする必要がないと説いていたのは、服部幸雄だったか(何に書いてあったかなぁ。さいきんそんなのばかり)。能が引き合いに出されていたが、たしかに能は拍手のしどころがない。
 私も能ではまったく拍手しない。とはいえ、われわれは現代の観客なのだからと、歌舞伎でしないほど、私は依怙地ではない。
 先日、『仮名手本忠臣蔵』を通しで観劇したのだが、芝居の途中にやたらに拍手するお客がいて困った。感極まってかもしれないが、妨害に等しい。服部幸雄の気持ちがはじめてわかった。
 四段目の判官切腹や六段目の勘平腹切でも、今回拍手しなかった。切腹の場面である。拍手をしたくなる気持ちがどうして生まれるのかわからない。
 自然に拍手が出たのが、十一段目の小林平八郎と竹森喜多八とのたて。途中、兎跳びのような形で二人が刀を交える場面があるが、あれに似たことを剣道の稽古でやったことがある。かなりきつい。それまでのたての激しさを考えると賞賛ものである。

 ついでに書くと、やたら笑うのもやめてほしい。六段目には笑いの要素があるが、勘平を待受ける悲劇を考えると、私は全然笑えない。まあ、はじめて見る人もいるし、笑うのが素直なのかもしれない。だが、勘平が二人侍を出迎えようとする場面で、勘平の舅殺しを疑い、逃亡するのではと、おかやが勘平の腰にしがみつくところは、笑うところではない。隣の客がそうだったので記す。

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