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2006年9月30日 (土)

前向き小町

 百人一首の小野小町の札が、後ろ向きの小町を描いていることは有名だろう。佐竹本三十六歌仙の小町も後ろ姿で描かれている。小町があまりの美人ゆえ、絵師も後ろ姿しか描けなかったというのがよく広まっている俗説である。

 山村美紗に『小野小町殺人事件』(光文社新書、1984.10)という小説がある。時価一億円ともいわれる前向き小町の絵をめぐる推理小説らしい。
 2001年11月9日放送の二時間ドラマにフジテレビがしている。
 ただし、『山村美紗サスペンス視聴日記』というHP

http://www.wakarazuya-soul.com/mystery/misa/drama/u_diary.cgi?start=6

によれば、内容はだいぶん違うらしい。だが、前向きの小野小町の絵が珍しいという点は共通している。
 

 結論からいえば、顔の描いてある小町の絵はある。しかも、江戸期でいえば全然珍しくない。
 浮世絵は顔を描いている。七小町といった小野小町説話は画題として確立していた。山東京伝『小倉山時雨珍説』(天明八年)など、黄表紙も普通に顔を描いている。古い例では、『本朝美人鑑』(貞享四年序)巻一「小野小町之事」の挿絵に、顔がきちんと描いてある。
 江戸期でどう描かれたか。夢を壊さないように、その画像は載せないでおく。

追記:これを書いた三日後にある古本屋で『小野小町一代記』の一巻一冊のみの端本を発見。これも運命と購入しました。口絵に小野小町像があります。

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