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2006年5月24日 (水)

半純血とは考えたね

***ネタバレ注意、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を読んでいない人は読まないように!!***

 J・K・ローリング作、松岡佑子訳『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(原題、"Harry Potter and Half-Blood Prince")が2006.5.17に静山社から刊行されました。

 この本は原書(US版)で読んでいて、2005.07.29に読書記を載せました。次に、2006.03.8-11にかけて、「"Half-Blood Prince"名義考」として”Half-Blood Prince”の訳語について、差別語特集の一環として、考察を加えています。

 では、松岡佑子さんはどう訳したかとみると「半純血」の語をあてています。さすが、プロの翻訳者、考えたねが感想です。

 ”Half-Blood Prince”を「軽蔑を受けとめつつ自らの出自に誇りを込めた表現」ではないかと、かつての記事で述べました。「半純血」だと、「半分でも純血だ」ということになって、視線が逆向きなのですが、かつての彼を考えると、そうとるのが正しかったようです(邦訳版下巻483頁の見解もありますし)。

 頓智に敬服したこともあって、”Half-Blood”が「半純血」でもいいかなと思っています。

 原書を読んだこともあって、邦訳本を積極的に読む意欲がないのですが(時間もないし)、パラパラめくると、懐かしい感じ。英語を読んで感じる世界と、日本語を読んで感じる世界は違います。

 Horcruxesが分霊箱と訳されて、なるほど。あの人の最期の"Please"は「頼む」。
 やっぱりプロは上手いもんですね。

 あとがき「最終章へのラブレター」には、

第六巻で魔法界に吹き荒れるヴォルデモート旋風を映すかのように、この一年はマグル界の私の周辺にも闇の帝王の気配が感じられ、私自身が何度か吸魂鬼に襲われた。

とあるので、差別語の問題も含めて、いろいろ苦労なさったとお察しします。

 私のブログのことなど知らないとは思いますが、

本文中がもし「謎のプリンス」で押し通されていたら、我慢するつもりはない。手持ちの邦訳版はすべて叩き売って、いかに私の英語力が貧弱といえども、以後英語版しか読まないつもりである。静山社および翻訳者松岡祐子には、適当な態度をとることを切に望む。

なんて啖呵を切っている私も吸魂鬼の一人だったのかもしれません。
 おつきあいも、あと一冊。お体ご大切に、頑張って欲しいものです。

おまけ:あとがきに「○○○○(引用者伏せ字)は果たしてどちらの味方か」とあるので、まだ期待していいんですかね。

補記:海外からのスパムコメントがなぜかつくのでコメント受付を停止しました。

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  週末を利用して一気に読みました。4話、5話と引きずってきた緊張感が本書の前半 [続きを読む]

受信: 2006年5月25日 (木) 20時59分

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