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2006年5月23日 (火)

書きたがる脳

 四ヶ月ほど前から、茂木健一郎の書いたものには興味があった。ここにきて(もはやひと月ほど前)、金銭的余裕、時間的な余裕が少々できたので、本を集めてみることにした。本人の著述ではないものの、アリス・W・フラハティ『書きたがる脳 -言語と創造性の科学-』(吉田利子訳、茂木健一郎解説、ランダムハウス講談社、2006.2)がアマゾンで「茂木健一郎」を検索した場合に目をひいた。

 書き出したら止まらない「ハイパーグラフィア」と、書きたいのに書けない「ライターズブロック」を中心に脳のしくみについて、産後うつ病に悩まされた経験がある神経科医が書いた本である。

 筆者がそういう病を患う気質のためか、飯田真・中井久夫『天才の精神病理』(岩波現代文庫、2001.7。初出は1972.3、中央公論社)で、ダーウィンを例に示したような、躁うつ病圏の科学者の特徴である、挿入句や注が多くて回りくどい文章が書かれている。また、ダーウィンの『種の起源』を思わせるような(私は東京書籍版を持っています)、考え得るかぎりあらゆる面から検証する、フラハティの手法も、科学的だが、読んでいるほうにとって、本命が見えないきらいがある。

 とはいえ、とても刺激になる本で、さいきん読んだ本の中ではかなり面白かった。
 ライターズブロックは修士論文執筆時にひと月ほどかかって、苦しんだことがある。この本を読んだことが、今後の予防接種になったと願いたい。

 茂木健一郎の本は、それから集めて読んだが、内容はまあまあ。というのは、わからないことがまだ多すぎるから。スターウォーズのエピソード1を観たときの状態で、お楽しみはこれからである。脳科学のますますの進歩を期待している。

 ほぼ毎日、ブログを更新していることからすれば、私をハイパーグラフィアだと思うかもしれない。しかし、このブログは毎日書いているのではなくて、二三週間に一度の割合で書きためている。野球のセットアッパーが投球数が少なくても毎日きっちりと肩をつくらねばならないように、毎日更新するのなら、頭の中身をつねに整理しておき、文章が書ける精神状態を作っておかなければならない。

 そうではなくて、ときおりやっているだけなので、ハイパーグラフィアに私はほど遠い。本当に毎日書けるならすごいことだが、それはまず無理である。

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コメント

この本ご存知ですか?
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投稿: kaikaikiki | 2008年6月10日 (火) 23時12分

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