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2006年4月14日 (金)

困難は人を

 テレビや舞台のスタッフは、過酷な現場を切り抜けてきたことに誇りを持っている。さまざまな困難が一流のスタッフを鍛え上げるのは間違いない。
 だが、困難は人を作らないと思う。時間・金・人材の余裕がある現場でこそ、有益なことが学べ、また優れた作品ができる。かつかつの状況でよい仕事ができたのはすばらしいが、余裕があればもっとよい仕事が出来る。
 小劇場芝居にかかわっていたときは、いろんなものが不足した状況で仕事をこなし、しかもそれが将来の蓄積になると思っていた。だが、もっと資本のあるところ、しっかりした人員のいるところで、仕事をした方が多く学べたはずである。
 さいきん、富野由悠季『だから僕は…―ガンダムへの道』(角川スニーカー文庫、2002.11)を読んだ。アニメ制作にかかわって、どのような道を歩んできたかが記されている。過酷な現場で結果を出してきたことからすれば富野は一流の制作者だが、それでも余裕があればもっともっとよい仕事ができたはずである。この人の仕事はほとんどがやっつけ仕事としてなされた。困難は人を作らないとあらためて感じる。

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