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2006年4月13日 (木)

蒲柳の質

 私の悪い癖に、文章に難しい言葉や漢字をつかいたがることがある。先生からは、できるだけわかりやすい表現をするように指導されてきた。「にて」でなく「で」を使うように言われたこともある。にもかかわらず、難解な表現をしたがるのは、自分の文章に自信がないことのあらわれだろうか。
 私のブログのコメントに、もっと歳を召した人かと思ったとあった気がするが、文章も若々しいにこしたことはない。高島俊男や山本夏彦の文章を読んだときに、筆者は四十代かと思った。高島俊男はやまとことばはひらがなで書くと決めており、山本夏彦は耳で聞いてわからない言葉は使わないとしていた。
 最近になって、珍しいことに、難しい表現を使うことが適していた場面があった。知り合いの女性Aさんの子どもがゆえあって、入院することになった。それについて「Aも蒲柳の質でしょうから、体調にはお気をつけください」と書いた。
 Aさんは、英米科を出た才媛だが、たまたま「蒲柳の質」という表現を知らず、わざわざ辞書をひいたらしい。
 「蒲柳」を『広辞苑』第五版でひくと、

①カワヤナギの異称。
②[晋書顧悦之伝「松柏之姿、経霜猶茂、蒲柳常質、望秋先零」]体質の弱いこと。「―の質」

とある。
 馬鹿正直に、「Aも体が弱いから」とか「虚弱体質だから」と書いては、相手の機嫌を損ねたはずである。

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