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2006年3月19日 (日)

役に立つ文章

 IT革命により世の中に生み出される文章の量は飛躍的に増えた。昔なら、個々人の頭の中で朽ち果てていたものが世に出回るようになった。その中で、後世に役立つ文章とは、どのようなものだろうか。
 すくなくとも、このブログは役に立たないと断言できる。見解を述べた文章は後世の役に立たない。
 近世期には儒教・仏教・国学など今では思想史が対象としている分野でかなりの著作が残されている。だが、きわめて高度な理論が組み立てられていたとしても、それらが今日の社会で有効に使われることはほとんどない。
 いちばん役に立つのは、些細な事実を記した本である。江戸時代ならば、事件・事実や考証(~の起源とか、由来とか)を事細かに記した近世随筆がそれにあたる(近世随筆は、枕草子や徒然草といった感想中心のふつうの随筆とは違う)。唐沢俊一がインターネットで公開している「裏モノ日記」などは、近世随筆を意識しているに間違いない。後の世界ではわからなくなっているに違いない、きわめて、些細な事象を記すことが、後世に役立つのである。
 じゃあ、私も頑張って微細なことを書き残そうとは、ちっとも思わない。志の問題というより、面倒くさいのが理由である。

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