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2006年2月26日 (日)

差別語 その五

 次は西尾秀和『差別表現の検証―マスメディアの現場から』について。西尾は堀田と同じく「出版・人権差別問題懇談会」に参加しているにもかかわらず、堀田とは姿勢が異なる。高木正幸と同じく、差別語かどうかその使用状況への判断を重視している。次の西尾の意見は傾聴に値する。
 

 どういう表現が、なぜいけないのかを深く考えようとせず--つまり、あることばや表現を使う場合に、その必然性や正当性、論理をあまり考えないまま、ただやみくもに、”ヤバそうな表現はかえる”という安易な発想で「言いかえ」をしている現状がある。このことは別の視点から考えると、差別問題に関する無関心の変形ともいえるだろう。結果、いつまでたっても差別表現についての真の理解が深まらない。(第一部マスメディアの現状、1過剰な自主規制と混乱、11・12頁)

 本文は実例をあげて、差別語のいいかえが過剰か適切か、西尾自身の見解が記されており、読むと頭を使う訓練になって良い。小説では、会話文での使用はあるとしても、地の文の使用は差し控えるべきというのももっともな意見。読み物としてなかなかだが、用例事例事典としては堀田や高木の本よりも分量が少ないのが玉に瑕である。

補足:だいたい良識派の意見はこのあたりに落ち着くようです。問題は、そういったことを多くの人が理解しつつも、現状がそれとは異なることです。

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