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2006年2月23日 (木)

差別語 その二

 まず、堀田貢得『実例・差別表現 ―糾弾理由から後始末まで、情報発信者のためのケーススタディ』(大村書店、2003・6)の検討から。

 差別語、すなわち放送および出版で忌避され、使用された場合に「不適切な発言」とされる言葉だが、これは年々増加・拡大する傾向にある。

 これに対して、触らぬ神に祟りなしと、できるかぎり使用を控える態度がある。堀田貢得『実例・差別表現 ―糾弾理由から後始末まで、情報発信者のためのケーススタディ』はその典型である。堀田の考えでは、「心の痛みを感じる」と受けとめられた場合は、すべて禁止にむかう。

 たとえば、片手落ちは、「片手」+「落ち」ではなく、「片」+「手落ち」だとするのが語源としては有力なのだが、現在では片手のない人たちに配慮して、放送では「片手落ち」は禁止用語になっている
 この「片手落ち」に関して、堀田貢得は、

 しかし、私見を述べるならば、「峠の群像」などの時代劇や時代小説ではやむを得ない使用と思うが、「片手落ち」という言葉の音や印象だけで、現実に片手を失う障害をもってしまった人には、「心の痛みを感じる」表現と受け止められるかもしれないのである。「不公平である」という意味もあるのだから、現代表現の中では言い換えてしかるべきと考える。「表現の自由」を御旗に大反論すべき言葉ではない。

とする。その堀田貢得が「出版・人権差別問題懇談会」の代表幹事であることを考えれば、差別語・差別表現が増殖していくのもよくわかる。

 堀田貢得の『実例・差別表現』は、実例が豊富で索引もある。ただ単に「NGワード」を避けたいだけの人にとっては、これで十分だろう。

補足:実は言うと、マスコミ関係者から差別語ではないかを問い合わせる電話がかかってくることを、自慢気に紹介している箇所があったので、この人はマスコミから相談料をうけとっていて、それで差別語を増やそうとしているのではないかと、いっときは勘ぐっていました。同じく「出版・人権差別問題懇談会」に関係する西尾秀和が、堀田貢得とは異なる見解をとっているので、そんなことはないのだろうと今は考えています。

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