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2005年12月 2日 (金)

瀬川晶司氏のプロ編入

 瀬川晶司氏が将棋の四段の、すなわちプロへの編入試験に合格した。この編入試験に関しては、奨励会員(プロ予備軍)からは批判が多かったときく。
 その心情はよくわかる。私も大学院の博士課程を出ているが、大学院などの教育とは全く無関係に大学教員になれるとすれば、教員養成が役目の博士課程の存在意義が問われるからである。
 とはいえ、私自身、大学院と関係なく、大学教員になる人がいておかしくないと考える。むしろ、それ以外の出身者はなれないとすれば、制度硬直だと思う。
 奨励会員が腹を立てているのは、瀬川氏が奨励会とは別の経路でプロになったということではなく(瀬川氏は年齢制限で奨励会を退会している)、自分たちが現在いるプロよりも強いのにプロになれないということだろう。三段リーグは年間わずか四人しか上に行けないので、ロートルのプロ棋士よりもはるかに強くても、プロになれない可能性がある。いや、奨励会の三段ほどになれば、たいていの場合、それより強いのである。
 公平を考えれば、四段からプロだとしても、三段との入れ替えが行われなければならないだろう(しかも大人数が)。ついでに言うが、大学教員の地位にも入替え戦が欲しいと思っている。
 では、前述の制度を導入するとまるく収まるかというと、それも難しい。将棋棋士は頭を使うので、年を取れば当然弱くなっていく。弱くなったからといって、簡単に職が失われてしまうようでは、棋士は職業ではなくなる。そうなると、棋士を目指す若者(というより少年だが)の数が減り、将棋界じたいが縮小していくことになる。
 ここらへんは不平のないように、また将棋界が発展していくように制度改革されていくことを切に望む。

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» 瀬川さん、プロ試験に合格 [ミスターポポの「のほほん日記」]
「本当に、おめでとう。」 自分の好きなことを仕事にできる人はごく一部である。 その分野で人より秀でていることが条件だが それ以上に見えない所で努力した結果だと思う。 異例の嘆願書から端を発した今回の編入試験、 「言った者勝ち」「強い者しか発言できない」といった風潮があるものの それでも、瀬川さん自身の努力、周りのサポートで「特例に恵まれてこじ開けた」。 瀬川四段にはプロとして活躍して欲しいと思う反面、... [続きを読む]

受信: 2005年12月 4日 (日) 19時32分

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