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2005年12月 3日 (土)

ちくま日本文学全集

 ちくま日本文学全集全六十冊は、平成三年だか平成四年だかに刊行がはじまった。毎月二冊ずつが配本され、初回は芥川龍之介と寺山修司だった。文庫版だが、安野光雅が表紙を描き、ボール紙の本体でなんとも感じの良い本だった。ちなみに、その後寺山修司にハマるきっかけともなった。
 一冊千円ほどだったので、姉に千円ずつ出し合って買わないかともちかけたが、断られたので一人で買い続けた。大学に入ってからも、ぼつぼつ買い続けて、全六十冊のうち四十冊ほど買ったのではないかと思う。大学院の修士一年生のころに、池袋サンシャインの古書展で、全六十冊揃いが二万円ほどで売られていて、残りの全冊を新品で買うのとほぼ同じだったが、金欠と、重複するのがいやで買わなかった。その後、めっきりとちくま日本文学全集を本屋で見なくなったし、バラ売りを古本屋で見ることも少なかったので、買っておけばよかったと後悔した。
 大学院での近代文学の演習で、このちくま日本文学全集を底本として発表した大学院生がいた。そのころ近代文学を担当してたN先生は、「こんな本は、OLが教養を得るために買うような本ですよ」と言った。
 前回の引っ越しの手伝いに来てくれた、近代文学を専攻する畏友K君に、ちくま日本文学全集を指し示しつつ、その話をしたところ、「OLはそんなもの読みませんよ」と言ってくれたものの、底本がはっきりしませんのでと、ひきとりはやんわりと拒否された。
 けっきょく、新居では置き場がないので、泣く泣くブックオフにちくま日本文学全集を送った。
 もし、研究書のたぐいを処分して悠々と余生を過ごすようになったら、ちくま日本文学全集をまた手元に置き、それを読んで過ごしたい。

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コメント

ははは、底本。
筑摩といえば文学全集です。
文庫でもちくま文庫で全集が出ていて。
そちらが底本だとそれの先は、よく応接間などに飾ってあった、ケース入りの全集です。
ちくま文庫刊行のきっかけは、昔から有名な作家さんの権利を持っていたのですが、それが切れる。
よそに持っていかれるなら、自分のところで文庫を刊行してしまえというのが、始まりでした。

投稿: v740gle | 2011年6月 7日 (火) 22時56分

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