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2005年12月11日 (日)

唐土の鳥が

 私が知っている博識な人物に上代文学のT先生がいる。私もちょっとしたことをいろいろと知っている人間だと思っているが、T先生とは広さも深さも比べものにならない。T先生から聞き書きで、「昭和事物起源」という本が作れると本当に思っている。
 最近、T先生が留学生向けに、ご趣味でなさっている狂言の解説と実演をなさったのだが、それに列席する機会があった。なにかのついでに七草の唄に話が及んだのだが、T先生は七草の唄について、「ええっと、内容は忘れまして」と言った。私は近世文学の研究をしていることもあって、知っていた。
 いくつか種類があるようだが、

七草なずな 唐土の鳥が 日本の土地に 渡らぬ先に…トントンバタリ トンバタリ…

という感じである。
 最初に知ったのは、落語の「ほうぼう」だと思う。私が知っているS先生のお宅では、今でもこの唄をうたって七草を調理しており、七草の日にそのご相伴にあずかったこともある。T先生でも忘れることがあるのだと、ちょっと驚いた。
 だが、あとになって、あれはT先生が忘れたふりをしたのではないか思った。T先生は落語に精通しているので、「ほうぼう」も当然知っているだろう。それに、私はT先生の授業を受けた経験があるが、T先生が何かを思い出そうとして出てこなかった場面を見たことがない。
 留学生には中国からの学生もいた。鳥インフルエンザのこともあるし、中国からの鳥を追い払うというのが時節柄ふさわしくないと判断したのではないかと、T先生の性格から疑っている。

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