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2005年8月19日 (金)

ベスト・キッドのヒロイン

 私がまだ学生演劇に携わっていたころ、ハムレットをもじった現代劇を作ったりしたこともある脚本家だった知り合いのNさんが、映画『ベスト・キッド』について語ったことがある。Nさんは私より四歳年上で、一度は芝居をやめたにもかかわらず、また芝居をはじめて、私が舞台スタッフをすることになったある芝居の端役をしていたので、話しをする機会があったのである。
 『ベスト・キッド』は男の主人公が3まで続くのだが、ヒロインは各作ごとに替わっている。2・3とも、冒頭は次のようになっているという。主人公が車を洗っていると、空手の師であるパット・モリタがあらわれ、彼女はどうしたと聞くが、主人公は別れたよの一言で済ませる。その一言で、前作のヒロインのことは清算されてしまって、新たなヒロインが心おきなく登場することになる。
 ヒロインのためにあれだけ大立ち回りをして愛を勝ち取ったことが、いとも簡単に無になってしまうことをNさんは言いたかったのだと思う。Nさんは私と同い年の女優のFさんのことを好きになって、役者として復帰したのだと公演中に噂を聞いた。FさんとNさんとは全く接近することなく、Fさんは同じくその芝居に参加していたS君という年若の役者と、公演終了後つきあい始めた。
 その後のNさんの胸中は知りようがないが、意外と達観していたのではないかと思う。

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