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2005年8月 8日 (月)

香具師のよみ

 香具師の読みは、本来「やし」ではなく、「こうぐし」である。江戸時代の文献では『浮世床』二編に「口から先ヘ生れたとは、これが事た、香具師(かうぐし)のいひぐさをよく覚えたぜ」とルビが振ってある。念のために、書いておくが「かうぐし」は旧仮名遣い(正仮名遣い)なので、現代では「コーグシ」と発音する。「香具」(香を聞く道具)を行商する者を「香具師」(こうぐし)と言ったのが、口上や藝で人を集めてものを売る人にも使われるようになったのだろう。
 CD「円生百席」の「がまの油」のマクラで、「店を出す人のことを『やし』だなんていいますが、そういうことをいうとと怒られますが、『こうぐし』というんだそうです。もっとも『こうぐし』なんてぇのはそのお仲間だけなんでしょうが、一般には『てきや』といって通っておりまして、おれたちはやくざとはわけが違うんだとえばっています」と三遊亭円生は述べている。「やし」が蔑称、「こうぐし」が正式だが仲間内でしか使われなくなり、「てきや」が通称となっていることがうかがえる。

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