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2005年4月29日 (金)

伊波伝毛乃記

 曲亭馬琴に『伊波伝毛乃記』という随筆がある。山東京伝の人柄や事績について述べたものだが、京伝の弟京山の随筆『蜘蛛の糸巻』などと齟齬するところも多く、かならずしも事実とはいえず、また馬琴の主観がつよく反映されている。これを読むと、馬琴がいかに嫌な人物であるかよくわかる。しかし、私は三十を越えて、馬琴がなぜ事実でない記録を残し、それに「伊波伝毛乃記」と名付けたのかがなんとなくわかってきた。馬琴は執着気質、粘着気質で気むずかしい人物というのが一般評である。だが、洒脱な京伝や、奇抜な逸話にこと欠かない十返舎一九に比べると、よほど現代人に近い性格の持ち主ではないだろうか。芥川龍之介が『戯作三昧』の主人公にしたのももっともである。本ブログは、名前を馬琴にあやかり「いわでもの記」と名付けることにしよう。もとより言わなくてもいいことであり、またお好きでない方は読まなくても損はしない内容である。

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